少年期の子供の絵と感性・創造力

子どもの絵画表現はこれまで多くの研究者によって、子どもに指図する指導はしない方 が良い事が分かってきました。

造形表現は子どもたちの心を耕す糧であり、自由に絵が描ける環境や道具・材料等は、その支援素材と捉えています。

少年期に入りますと子ども達は母親への関心から離れ、自己の個性に目覚め始めます。
この頃の絵は対象物の立体感や遠近感を意識し始め、幼年期の絵空描きから、造形美や絵画に近い描写を試みます。

この時期の創作物は飽くまで未だ自己形成のプロセスであり、自己の心との葛藤期ですので、大人達は褒めることすらすれ、批判したり評価したりしてはなりません。

また多くのお母さま方は「ぬり絵」に害があるとは思っていなかった方も多いと思われます。
しかし「ぬり絵」は、少年期を迎えた子ども達の創造性にマイナーな影響を及ぼします。
「ぬり絵の害」と捉えております。

子どもには無感動な「塗る労働」作業ではなく、心 の活動「描くあそび」で その成長を見守るようにしましょう。

自由な環境で育つ子どもは、自分の心(喜 びや悲しみ)を安心して表現することが出来、やがて想像(創造)するイメージ力も育まれていきます

情操にあふれ感性豊かな子どもの心を育てる努力は、また私たち大人の務めでもあるのです。

この「世界こどもアート画廊」では、子供達の豊かで自由な感性を助成すべく、作品発表の場を国際的に広げました。

参照資料データ
南九州大学
人間発達学部 子ども教育学科
美術教育研究室 古賀 隆一 著